グレーゾーン金利

出資法と利息制限法の上限金利の差にあたる部分を言います。

出資法の上限金利は29.2%で、これを超す金利で貸付を行った場合には法令違反となり、罰則が科されます。

一方利息制限法の上限金利では、10万円未満の借り入れの場合年率20%、100万円以上の借り入れの場合年率15%などの規定があり、これを上回った場合、一応違法にはなりますが、罰則はありません。

そのため、多くの消費者金融やカードキャッシングが、この利息制限法と出資法の間の金利で貸付を行っています。

これがグレーゾーン金利と言われるもので、違法(利息制限法)ではありますが、罰則はありません。
二つの法律が両立していることに対して、現在一本化すべく議論がなされています。
大方の論調は、より利率の低い利息制限法に合わせようではないか、という論調に収まっていますが、なかには、「高い利率の貸付を行わなければお金を借りられなくなるお客さんが増えてしまう」という論調もあります。

人の弱みにつけこんだ商売と言えなくもありません

グレーゾーン金利は違法ですが、消費者が泣き寝入りしていれば、まかり通ってしまう法律であるといえます。

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遺失物法改正

現行の遺失物法では、拾得物は届けられた日から6ヶ月間保管され、その間に持ち主から申し出がない場合には拾得物の所有権は拾った人に移ります。
また、落とし主が現れた場合にも拾い主は拾得額の5~20%の謝礼を受け取る権利があります。
ただしそのためには拾ったときから7日以内に警察に届け出ること、また、遺失物を拾った場所がデパートや駅など建物の敷地内であった場合には、24時間内にその管理者に届けることが条件となります。
実際の落し物の返還率を見ると、携帯電話や財布などは60~75%と高い返還率を保っている一方で、傘や自転車、衣類の返還率は低く、全体では3割程度となっています。

遺失物法は平成18年度中にも約半世紀ぶりに改正される予定で、改正法では全国の落し物情報を検索できるシステムの導入や、個人情報が入力された携帯電話などを拾っても所有権の主張ができないなど時代に沿った見直しが行われる予定です。

改正案の内容は以下の通り。

① 落し物のデータベース化

従来の警察署ごとの扱いを改め都道府県単位で落し物情報をデータベース化し、警察同士で情報交換できるようにする。
また、将来的には落とし主自身がネットで検索できる仕組みも構築する。

② 個人情報の問い合わせを可能に

携帯電話やキャッシュカードなどの落し物については警察が落とし主の住所などの情報を電話会社や銀行に照会できるようにする

③ 拾得者の所有権

携帯電話やカード類、パソコンなど個人情報の入った落し物については、落とし主が現れなかった場合でも拾得者が所有権を取得できないとする。

④ 保管期間の短縮
拾得物の保管期間を従来の6ヶ月間から3ヶ月に短縮する。

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消費者団体訴訟制度

消費者トラブルに関して、消費者団体などが消費者個人に代わって訴訟を起こすことができるようにする制度で、消費者契約法の改正案に盛り込まれる方針です。
団体訴訟を起こせるのは認定を受けた団体で、現在「消費者機構日本」などが認定の団体となるべく準備をしています。
制度の狙いは、消費者被害の未然防止です。
現在は被害を受けた当事者が訴訟に勝てば、その訴訟を起こした本人は救済されますが、同様の被害が他の消費者に及んだ場合であっても、泣き寝入りしてしまえば業者のやりたい放題となります。
団体訴訟制度によって悪質な勧誘行為の差し止めなどを求めれば、被害が広範に及ぶことを未然防止できます。
H18年4月現在は、自民党と民主党がそれぞれ法案を提出している段階で、まとまれば平成18年度通常国会で成立する見通しです。
訴訟の内容を、差し止め請求に限る(自民)か、損害賠償請求も認める(民主)かが大きな違いで、さらに「同一内容の再提訴」を認めるかどうかもポイントです。
政府案では「一つの消費者団体が訴訟を起こして判決が確定した場合は、別の消費者団体が新たに同一要件に関して提訴できない」としており、これでは一度負けた場合の再起の方法がないということで消費者団体も是正を求めています。

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裁判員制度

国民から無作為に選ばれた裁判員が刑事裁判に参加する制度で、平成21年5月までにスタートします。
根拠法は平成16年5月に公布された「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」です。
関わる事件は殺人事件や傷害事件、放火、誘拐などの重大犯罪で、有罪か無罪か、また有罪の場合は量刑の決定にも裁判員は参加します。

選挙権のある全国民は裁判員に指名される可能性があります。
裁判員決定の手順は、毎年裁判員候補者名簿を作っておき、事件ごとにその中から候補者が選ばれ裁判所への出頭を求められます。
裁判所に出頭すると、面接試験のようなものが行われ、偏向した考えを持つ人や被告人または被害者の身内などの関係者、辞退希望者のうち辞退理由が適当と認めた人などをはじき、残った人から裁判員が選ばれます。

裁判員に選ばれると審理や評議に出席し意見を述べなければなりません。
また、守秘義務があり、裁判員業務によって知りえた秘密は生涯守らなければならず、違反すれば刑罰が科されます。

裁判員の名前や住所などは公表されず、事件に関することで裁判員に接触したり話を聞きだそうとする行為も禁じられます。
また、裁判に参加するために仕事を休んだ場合にそれを理由とした不利益な取り扱いをすることも禁止です。
裁判に参加するための日当、交通費、遠方の場合の宿泊費などは支給されます。

【参考書籍】

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共謀罪法案

実際に犯罪が行われなくても犯罪を行う相談をすれば罪の問われるという法案で、現在政府が検討しています。
2名以上から成る全ての団体が対象となり、刑の上限が4年以上の犯罪619種類についての相談・合意があれば共謀罪に触れることになります。
犯罪に関する相談を行い合意すれば、それで「団体」とみなされ、実際に実行にうつさなかったり後から考えを改めても共謀罪は成立します。
犯罪に該当することを知らなかった場合も罪の軽減はありません。
この法案が成立すると、たとえばマンション建設反対のために座り込みをしようと相談するだけで共謀罪となる可能性があります。

なにしろ、一度相談に加わって合意してしまえば、あとから考えを改めてそのメンバーから抜けたり、メンバーに犯罪を止めるように説得したとしても、罪から逃れることはできません。
罪から逃れる方法は一つ、警察に自首することです。
相談の内容を警察に密告して自首した初めの1人だけは刑が免除されたり、半分になったりします。

警察が共謀罪を取り締まる(見つける)のは主にこの自首制度に頼ることになりますが、当局が睨めば捜査のためという名目で盗聴や監視が行われる可能性もあります。

【参考書籍】

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公益通報者保護法

内部告発を行った従業員(公益通報者)を守るため法律で、平成18年4月1日施行されます。
内部告発者に対する解雇や不利益な扱いを禁止することで内部告発が成されやすい環境を整え、国民の生命、身体、財産その他の利益を保護する法律を企業に遵守させようという目的があります。

・公益通報者の定義
当該企業に雇われている労働者。
社員や派遣社員、パート、アルバイトの他、請負や業務委託契約であっても事実上の使用従属関係がある場合は保護の対象となります。
一方で、取引先や使用従属関係のない下請け業者、当該企業の取締役などは保護の対象になりません。

・通報の対象
政令で定めた法律に対する違反行為の事実が生じている場合、まさに生じようとしている場合。
対象となる法律は刑法、食品衛生法、JAS法、証券取引法、廃棄物処理法など406あります。

・保護の内容
公益通報を行ったことを理由とする解雇や派遣契約解除の無効及びその他の不利益な取り扱い(降格、減給など)の禁止

・通報の順番
通報時の保護要件は、①当該事業者内部への通報②行政機関への通報③事業者外部への通報の順に厳しくなります。
①の要件:不正の目的でないこと
②の要件:不正の目的でないこと、真実相当性を有すること
③の要件:不正の目的でないこと、真実相当性を有すること、その他一定要件に該当すること

③の一定要件とは、内部通報では証拠隠滅の恐れがある、書面により内部通報を行ったが20日以内に調査を行う旨の通知がない、人の生命・身体への危害が発生する急迫した危険があるなどの場合があてはまります。
つまり、一般的には事業者内部への告発をした後20日経過しなければ外部通報ができない形となります。

【参考書籍】

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製造物責任法(PL法)

製品の欠陥によって生命、身体または財産に損害を被った場合に、製造業者、輸入業者等に対して損害賠償を求めることができる旨を定めた法律で、平成6年に公布、平成7年に施行されました。
製品と損害の因果関係を被害者が立証すれば、製造業者等はたとえ無過失であっても損害賠償をする必要があるとした点で、過失責任を原則とする民法に比べて被害者の立証責任が軽減されています。

・「製造物」の定義
この法律で言う製造物とは「製造または加工された動産」を言います。
不動産や、電気、ソフトウェア、未加工の農林畜水産物は対象外です。

・「欠陥」の定義
製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいいます。
つまり、安全性に関係のない品質上の不具合や、誤使用による事故などは対象となりません。

・損害賠償の対象
製造物責任法によって損害賠償が求められるケースは、人身事故や、当該製品以外の財産に損害を及ぼした場合です。
製造物の欠陥による被害が当該製造物の損害のみの場合には製造物責任法は適用されず、民法の瑕疵担保責任や債務不履行、不法行為に基づいて損害賠償請求をする形となります。

・損害賠償請求の時効
被害者及び法定代理人が損害および賠償義務者を知ったときから3年間です。
また、製造業者等がその製造物を引き渡したときから10年経過した場合も時効となります。
ただし、一定の潜伏期間を経て発症するような場合には、その損害が生じた時から起算します。

【参考書籍】

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個人情報保護法

個人情報取り扱いに関するルールを定めた法律で、①官民を通じた基本法部分と②民間事業者に対して個人情報の取り扱いについてのルールを定めた部分から成ります。
①については基本理念、国や地方公共団体、独立行政法人の責務・施策などについて述べています。(第1~3章)
②については民間事業者が遵守すべき内容について定めています。(第4章)
なお、国や地方公共団体の個人情報取り扱い(②にあたる部分)については、別途法律・条例があります。
国の行政機関→行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律
独立行政法人→独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律
地方公共団体→条例

この法律で、民間事業者が遵守すべきルールとして、
・個人情報の適正な管理
・利用目的の明示・特定
・不正な手段による個人情報取得の禁止
・個人情報の第三者への提供を禁止
・本人からの求めに応じて情報の開示、訂正、利用停止等に応じる
などが定められています。

不適切な取り扱いを行った業者に対しては主務大臣は助言・勧告・命令を行うことができ、改善が見られなかった場合には6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科されます。
個人情報保護法は平成15年5月30日に一部施行(第3章までの部分)、平成17年4月1日に完全施行されています。

【参考書籍】

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アスベスト新法(石綿による健康被害の救済に関する法律)

アスベストにより中皮腫や肺がんにかかった患者で労災の対象とならない人を救済する法律で、平成18年2月10日に公布、3月27日に施行されました。

・療養中の患者に
① 医療費自己負担分を補償
② 療養手当月10万円
③ 死亡時の葬祭料20万円を支給

・既に亡くなった患者の遺族に特別遺族弔慰金と葬祭料の計300万円を支給

・労災の時効で申請できなかった遺族には労災保険より、特別遺族年金(年240万円)または一時金(1200万円)を支給

の3つが柱となり、労災補償との格差など、問題も残ります。

【参考書籍】

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日本司法支援センター(法テラス)

2004年6月に成立した総合法律支援法に基づいて設置される法律問題の相談窓口で、2006年秋をめどに、全国の裁判所本庁所在地や弁護士過疎地域などに開設される予定です。
裁判その他の紛争解決制度を利用しやすくするのを目的とし、情報提供や相談窓口、民事法律扶助業務(経済的に弁護士依頼などが困難な人のための無料法律相談や費用立替)、弁護士過疎対策業務、国選弁護、犯罪被害者支援などを行います。

【参考書籍】

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